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性を真面目に語る 第一回 ~性の哲学対話が、性を知る近道~

 

性を真面目に語る。

男の自分はあまりできた記憶がない

男性とやると、からかわれ、自慢話として扱われ。

女性にやろうにも、セクハラになりかねない。

いかようにすれば性を真面目に語れるかを考えていく連載。

そのきっかけともなる第一回は、11/22(金)の駒場祭で行われた”こじらせ東大生の恋愛相談”の中での「哲学対話」に関して触れる。

 

 

 

・きっかけ

今回は「こじらせ東大生の恋愛相談」の、哲学対話に参加してまいりましたのでそのレポでございます。

(哲学…といっても全然かたくないよ)

 

これがね、とても

 

性を真面目に語るにはとてもとても大事だ!?!?!?

 

と強く感じたので、いち早く共有したいと思い。

 

 

さて、この一週間いろいろありまして。

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僕のこの何気ないツイートに…

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ファッ!?!?!?!??!?!?

 

AV監督で文筆業にも近年力を入れられている二村ヒトシさんにRTいただく。

先日のバズでいろんな方に(特に髙崎順子さんに…)RTいただいたので、その流れで見知っていただいた様子。

そしてその後こんなツイートが。

 

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※この時点で開催8日前

 

東大の駒場祭にて、なんと二村ヒトシさんを交えた哲学対話をやるとのこと。

10~15人で一緒に語れるとな!?!?!?!?

 

行きます。

即行きます。

 

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飛行機取って。

 

ホテル取って。

 

仕事?(知らない子ですね…)

 

ほい。

 

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離陸!!!

 

 

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到着!!!

 

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ほい。

3枚で東大につきました。ええ。

 

二村さんからお誘いを受けた(と勝手に解釈をした)のでいくしかないでしょということですべて勢いでやってまいりました。

まあ、なんとかなるもんやな。

仕事?僕ニートですよ(大嘘)

 

 

・イベントの詳細

さてここでイベントの詳細をお話ししましょう。

 

 

こんな感じで、桃山商事の方々、二村ヒトシさん、佐々木ののかさん、トミヤマユキコさん……と名だたる面々が並んだ講演会。

 

だけではなく。

 

この2部で「哲学対話」をやるのです。

その詳細を以下に書かさせて頂きます。

 

 

 

(※撮影禁止につき、公式ツイート以外の写真ありません。ご了承を)

 

まずこのくらいの教室で。

 

そして今回の哲学対話はルールがいくつかありました。

①机に座ること 

 

座る!??!!?

 

「東大」の「哲学対話」というだけでガチガチにキンチョーしてた僕ですが、わりといけそう感してきてました。

 

お互いの壁をなくして話しやすくするためだそうです。

なので、講義用の机にみんなで座り、真ん中あたりで輪になって話をしました。

 

足をぶらぶらさせて話す感じで…これいいのか…と思いつつ。

しかし哲学対話発祥の梶谷真司教授が直々にそうしてくださいと言われたらそりゃいいでしょとしか言えず笑

 

②発言の際は以下のルール通りに

・ボールを持つこと

・他の人の発言を遮らない

・次に発言したい人が挙手をする

・次の話者は、現在の話者が決める。

 

まあここはざくっと。話者は小さなボールをもって話す。

議論があっちゃこっちゃでごちゃまぜにならないように。発言はその人だけがする。

それで、その人が話している最中であっても、次に話したい人は手を上げる。

話者はべつに話を止める必要はない。

そして話終わったら、その時点で例えば2人手を上げていたとしたら、「この人!」というほうへ、話者がボールを投げる。それで次の話がまた始まる。

 

③以下のルールを守ること。

・何を言ってもいい

・人の言うことに否定的な態度を取らない

・聞いているだけでもOK

・お互いに問いかけるようにする

・知識ではなく、自分の経験に即して発言する

・話がまとまらなくていい

・意見が変わってもいい

・分からなくなってもいい

 

 

これが非常に重要でした。

 

まず、ルールといっても縛りは少ないんですよ。

むしろ「こうしてもいいよ」という許可の意味合いのものが多く。

 

縛り、と言えるものはこの三つでしょう。

 

・人の言うことに否定的な態度を取らない

・お互いに問いかけるようにする

・知識ではなく、自分の経験に即して発言する

 

二つ目の「お互いに問いかける様にする」というのは、自身が納得できないお話や、気に食わない話であっても、一つ目の「否定的な態度を取らない」と合わせて、「それはどういうことか?」と詳しく聞き出すのです。

 

この前ツイッターでちょうどいい一例があったので掲載します。

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僕としては、これは

・人の言うことに否定的な態度を取らない

・お互いに問いかけるようにする

のどちらもクリアーしたと思えますね。

いや、”お互いに”はクリアしてないですね…ただ、こちらからの問いかけは成功かなと。

 

そしてこの先に得られるのは、「受け入れられる」のではなく、「納得ができる」ということ。

 

このツイートの例で言うと、僕は彼の、「暴言を吐き続ける」ということが理解できないと思う。

しかし、「あ、彼は暴言を吐きたいという欲があり、それを吐くためだけにこのツイッターをやっているのか」「別段、僕の記事に具体的に知性のなさを感じたわけではないのか」というところは、納得することができる。

 

このロジックがわかる・わからないは大きな違いがあるのです。

僕がこのロジックをわかっていなかったら「僕はそんなに頭が悪い記事を書いたんだろうか…?」「一部の人を不快にさせる表現だっただろうか…?」と悩んでいただろう。

少なくとも、それは消えた。

 

「相手に対して否定的な態度を取らずに」「問いかけを起こした」ということですね。

 

(※ただし、向こう側からの「頭悪すぎて草」という問いかけ自体は相手の否定になるため、この一連の会話自体は哲学対話には全くなっていないのはご注意。あくまでも参考程度に)

 

・知識ではなく、自分の経験に即して発言する

 

これもとても効いた。

東大生ともなれば知識が豊富な方が多いが、それをし始めると、知識がない方はさっぱりしゃべられなくなってしまう。

それは東大でなくてもしかり。

むしろ、僕も読書会なんかに参加してるとよく思う。

ここは「東大」とわかっているが、そうではなくて、参加者ごちゃまぜのところでやったら? 誰が自分より詳しい知識を持っていて、誰が知らないかがわからないから、自分がおいてけぼりくらったり、逆に他人をおいてけぼりにしてしまったりする。

 

読書会なんかで、教員が2人いて学校界隈の深い話に話が発展して他が置いてけぼり…とかたまにある光景だ。

 

・哲学対話の中身と感想 

 

さて、そんなかんじでいざ実践。

 

テーマ:「なぜ経験人数が気になるのか?」

 

真正面に二村さん、お隣に佐々木ののかさん…という状態でヒエーと思いながらも、話は進んでいく。

 

まず、このテーマの元となった方が発言

(※撮影・録音禁止につき一部うろ覚えなので、ミスあるかもなのでご了承願う)

 

相談者A「僕は経験人数が4~5人がちょうどいいと思っていて。多いと嫌だ。だけど、0だとめんどくさい。なので、この人数がいい」

 

とのこと。

 

ほー。

 

そして、それを受けて、みなさんからこのテーマからどういう疑問があるか?を洗い出します。

すると以下のような形に。

 

Q、経験、とはどういう意味か

Q、なぜ恋愛では経験が問題となるのか

Q、遊びの20人と真面目な一人、どっちが気になるか

Q、「気になる」とはどういう意味か

Q、自分が気にされたらどう感じるか

Q、誰の(まだ友人関係の子、親密な関係になった子、付き合う寸前の子、など)経験が気になるのか

Q、どういったシチュエーションでその話をするのか

Q、面倒くさい、とは何か

Q、人数のちょうどよさ、の基準は?

Q、相手の人数をどうやって知るか

Q、相手が言った人数を信じるのか?

Q、どうやって相手の人数を知るのか?

etc.........

 

このようにずらずらっと質問が並び…

 

そうして、ある程度「経験に関する質問」「人数に関する質問」「気になる、に関する質問」と分類わけされ、その中から多数決でどの疑問に触れるか考える。

 

どれだったっけな、多数決で選ばれたの…

 

というのも、この哲学対話、別にまとめる必要はないし、しかもここで多数決で選ばれた疑問に答えを出す必要はないし、しかもこの質問に縛られる必要もないんですよ。あくまでもスタートライン。

 

だからあんまり覚えてない…笑 経験に関して、だったかな・・・???

 

別に就活のグループワークみたいに役割なんていりません。リーダーもいりません。

(※一応、最低限ルールを守っているかどうか、指摘する人はいたほうがいいかもですが、それ以外は不要)

 

梶谷先生曰く

ルール通りやれば5歳児と60歳のおっさんが一緒に話せる会

だそうです。

 

さすがに会が全体的にどういう流れで進んで、どう終わったか、まではメモしきれなかったので割愛しますが、僕にとって

お~!これなら性の話を、お互い真面目に話せる!!

と思ったポイントを記載しますね。

 

・割り込みがない=からかいもない、話が中断しない

・否定もないので、話がしやすい

・案外、否定しそうになっていた自分に気づく

 

順番に説明しましょう。

 

・割り込みがない=からかいもない、話が中断しない

・否定もないので、話がしやすい

 

まずこの2点なんですが、まず性の話って「からかい」や「否定」、想像以上に多いんですよ。

 

もちろんセクハラは論外にしても、そういう「相手の想いを無視して別の方向性に話を持っていく」ことが多いんです。

真面目に性の悩みを語ってからかわれたり、セクハラまがいのことを言われたり。

 

 

 

この一連のツイートを見てほしい。

これは僕が参加した読書会で実際に起こったことなのですが。

これは最初の男性の、「パートナーは性の相性も大事にして考えたい」という悩みに茶々が入った格好ですね。

こういうことがえてして起こりがち。

男性ですらこういうことが起こる。

女性の悩みは僕では想像もつかないが、少なくとも同性にしか話せないだろう。

セクハラ被害にあいかねないし。

 

 

こういうことが哲学対話ならば起こらない。

割り込みもないし、相手を否定しないから。

 

 

だから、こちらも堂々と話すことができるし、逆に皆も堂々と話すことができる。

 

からかいは気にしなくていい。

議論の方向性も気にしなくていい。 

 

 

・案外、否定しそうになっていた自分に気づく

 

ここですね。僕も気づかなかったなこれ。

最初の相談者Aさんが「経験人数4~5人以下はやだ!」という話があり、「どうやってわかるのですか?本当かわからないのでは?」という話に対して「自分の中で確固たる分析方法があり、それにもとづいて算出している」と言われ、結構経験人数にマジでこだわりあるやつだ!!??!?!と思い。

 

「それって君が経験少ないだけじゃね?経験重ねたら変わるやろ」

 

とふと思ってしまい。

おおおおいおいおい。

そう思ったが、今回の場所は否定はダメ。

発言を飲み込んで、いろいろ考えを練り直す。

そうして発言を訂正。

 

では、その予測を外れる人がいたらどうしますか? 例えばあなたの予測では4~5人、本人の申告も4~5人、それであなたもしっかり納得している状態で、しかし実際は20人だった場合に、あなたは嫌いになるのかどうか、です

 

「経験が少ないだけじゃね?」をかみ砕くと、「自分が「この子の経験人数は数人」と思った相手が十数人だったことあったし」という言葉が裏にあって。

さらにそれを砕くと、「そういう人間がいることを知ってほしい。そういった人に会った経験がないだけで、経験があれば変わるのでは?」ということ。

じゃあ、それをぶつけてみよう。

となった。

 

 

そうすると、何回かそこから別の人からも含めてやりとりはあったものの

 

相談者A「自分が会っていないだけで、そういう人に会ったら変わるかもしれません」

 

という形に落ち着いた。

 

 

これ難しいな、と改めて思った。

いや、本人が考えを変えたからOK、とか、そういう話ではない。

 

性の話、セクハラマンとからかいマンをなんとかすればなんとかなると思ったが、性の話って結構各々にこだわりがあるから、これめちゃくちゃぶつかりやすいんだなと。

 

かつ、女性からしたら理解しがたい男性の思考、あるいは、男性からは理解しがたい女性の思考…というように、男女の隔たりもかなり大きい。

なので、これ哲学対話ではなく単純に議論なだけであったら、相談者Aはボコボコにされていたんじゃなかろうか……しかしそれでは、別段何も生まれないのである。

 

そして、恋愛話はイキリポイントが爆稼ぎできてしまうところにもある。

 僕の先ほどの「経験人数少ないだけじゃね?」もはっきり言ってイキりポイント稼ぎに言っている。無意識で。

そうやってマウントの取りあいにもなりやすい。

相手の話を、訂正したがる。

自分のほうが知っている、自分が正しいと、ついつい言いたくなってしまう。

 

仮に僕があそこで「経験人数少ないだけやろ」って言っていたらどうなっていただろうか?

たぶん、Aさんは「僕はきっちり予測できます」、僕は「いいや、それは間違っている」と、言い合いになって話が進まなかったかもしれない。

 

「相手を否定しない」というルールが、自然と自分の言葉をかみ砕いて、相手に細かく、わかりやすく伝えるためのルールにもなっていたのだ。

 

否定になると単純な言葉で済んでしまうからね。

 

 

そして、この会がとてもよかったのが、二村さんのお言葉を借りると

「言い合いや否定ではなく、一つの課題に皆が一つの脳になって考えることができる」

というところがとてもよき、でした。

 

言い合いで打ち負かす、ということではなくて、本人の悩みをどう解決できるか?という形になっていて、その本人の理論が間違っている!論破! では、本人がしょんぼりするだけで解決に至らんだろう。

 

そういう意味で、とても有意義な会になったと、僕は思った。 

 

 

 

・これからの性の議論で必ず重要になる 

僕は今回この哲学対話を実践して、性の問題に関して言えば、とても重要になってくるな、という感覚を強く覚えた。

 

どうにもこうにも、性の話はどうやったってぶつかってしまう。

かなり個人的な、パーソナリティな部分につっこむので、衝突が起こる。

最近(2019/11/25時点)の生理ちゃんの話題だってそうだろう。

必ずしも男性と女性との間で隔たりがあるわけではない。

女性同士の中でももちろん隔たりがある。

そして、僕が文中で例をあげたような、男性同士の中でも隔たりがある。

 

今後、色んな議論があるたびに、この哲学対話は実践していきたいと思った。

ネットの炎上ネタがゴロゴロころがり、ギャーギャーと怒号のやりあいになる前に、こういった議論を挟みたいなあ。と思った。

 

そして、よーし、福岡でもこの性の哲学対話を広げるぞー!と思った。

頑張っていきましょう。

 

 

そしてこの考え方の根本は、ネット上で議論する上でも必ず重要になると思うので、もっともっと知っていただけたらいいなと思った。

 

 

 

ネットのスカイプでできたりしないかなー、、、哲学対話。

 

 

・おまけ

講演最後のほうに「全体を通して何か質問がありますか?」というタイムがあって、結構時間あるのにあんまりみんな手を上げなかったので思い切ってぶっこんで、

「メサコンこじらせすぎて、職場の無能おっさんがかわいく見えてきた。自分経由でしか他の営業さんに話しかけることができない事務のおっさんとかが、説教こいてきて「えっ…その身分で偉そうにできると思ってるの…愚かかわいい~~~!!!」となってヤバイ。そういうおっさん多い」 

という相談(マジで)をしたところ

トミヤマユキコさんからはオタサーの姫じゃん…」と言われ

二村さんからは「まあ案外それでおっさんイケることもありだから、いいんじゃね?」「たぶん綱渡りなんとかできるよ君笑」と言われました笑

 

でもおっさんと寝るのは…ううん……職場のおっさんにそこまで価値はないなあ…笑

適度に姫満喫して終わろう……笑

  

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